快適で速く移動できる新幹線ですが,出費が負担になりますよね.ある程度の近距離移動でなければ,1万円以上の出費を覚悟しなければいけません.そこで今回は学生向けに少しでも安く新幹線に乗る方法をご紹介します.
早割
割引の王様とも言える制度で,割引率が大きい点が特長です.また,早割であれば学生に限らず社会人でも利用できます.「早特」という商品名で販売されている場合もあります.
メリット
割引率が大きい!
早割のメリットは,何と言っても割引率の高さでしょう.割引率は,設定区間や予約締切日にも左右されますが,最大で3割程度安くなる印象です.これだけ見ると,後述の学割+往復割の併用パターンと大差が無いように見えますが,早割は基本的に乗車券と新幹線券のセット商品なので,実質的に普通乗車券と新幹線券の双方が3割引きになる計算です.(学割+往復割の併用は,あくまでも普通乗車券のみ約3割引き.新幹線券は定価.)
デメリット
事前予約制である
良くも悪くも事前予約制です.前もって(約3~21日以上前から)計画が立てられる場合にのみ有効な方法です.予約後の変更等は出来ないことがあります.また,やむを得ず行程をキャンセルする場合は,払戻手数料が発生することがあるため,注意が必要です.しかし,早割の商品特性上,基本的に指定席を予約することになるので,確実に座席を確保することが出来るというメリットもあります.
学割
まさに,学生の特権とも言える制度で,名前の通り学生しか利用することの出来ない制度です.(今の内に利用しておきましょう.)学割を適用することで,普通乗車券が2割引になります.(新幹線)特急券は割引されませんので,注意!
利用方法
1.学生課窓口で学割証を発行してもらう. 2.学割証に必要事項(乗車駅・降車駅・乗車経路)を記入する. 3.駅の窓口で学割証を提出し,学割切符を購入する. 4.学生証を携帯し,乗車する.
学割切符を購入する際には,学校から発行された学割証が必要になるのに対し,実際に列車に乗車する場合は,学生証が必要になります.学割証と学生証は似て非なるものですので,注意してください
特に乗車時における学生証については,学生の身分を証明できる唯一の書類になりますので,必ず携帯してください.(駅員や車掌から学生証の提示を求められた場合は,これに応じなければなりません.学生証不携帯の場合,不正乗車とみなされる可能性もあります.)
メリット
当日利用が可能
早割とは異なり,乗車当日であっても適用可能です.早割の場合,乗車予定日の3~21日程度前に予約を済ませておくことが必要ですが,学割は乗車当日であっても適用可能ですので,急な予定にも合わせやすいことがメリットの一つとして挙げられます.
適用範囲が広い
また,適用範囲が広いことも学割の特長です.早割の場合,鉄道会社が設定した区間があり,その区間を利用する場合のみに適用されます.一方,学割は片道の営業キロが100kmを超過すれば,どの駅を利用する場合でも適用されます.また,早割は新幹線を利用することが前提の制度ですが,学割は在来線利用にも適用されます.
デメリット
年間利用回数の上限がある
多くの学校では,学割証の年間発行上限を10枚に設定しているようです.従って,実質的に年間10回までしか学割乗車券を購入できないことになります.とは言え,春休み,GW,夏休み,年末年始の帰省全てに使ったとしても往復2×4=8回分ですから,よほど移動しない限りは10枚で足りるでしょう.
また,帰省先(移動先)での滞在期間が短い場合,1枚の学割証で往復切符を購入することで,消費する学割証の枚数を節約することができます.また,所定の要件を満たす場合,往復割引を適用することも可能になります.往復割引の詳細については,後ほど詳述します.
利用目的の制限がある
日本学生支援機構の学校学生生徒旅客運賃割引証取扱要領によると,利用目的が次のように定められています.
機構又は都道府県等から学割証の様式の配付を受けた学校は、制度の趣旨に鑑み、原則として次の目的をもって旅行をする必要があると認められる場合に限り、学生生徒に対して学割証を交付するものとする。
学校学生生徒旅客運賃割引証取扱要領 学校学生生徒旅客運賃割引証(学割証)について | JASSO
(1) 休暇、所用による帰省
(2) 実験実習並びに通信による教育を行う学校の面接授業及び試験などの正課の教育活動
(3) 学校が認めた特別教育活動又は体育・文化に関する正課外の教育活動
(4) 就職又は進学のための受験等
(5) 学校が修学上適当と認めた見学又は行事への参加
(6) 傷病の治療その他修学上支障となる問題の処理
(7) 保護者の旅行への随行
経験則として,学割切符の購入時及び利用時にその目的を駅員や乗務員から尋ねられたことはありませんが,学校で学割証の発行を受ける際にはその利用目的を尋ねられることがあります.基本的には,上記7項目のいずれかに該当する場合,利用の対象となるようです.
往復割引
片道の営業キロが601km以上あり,かつ往復(セット)で切符を購入する際に適用される割引です.この制度は,学生であるか否かにかかわらず誰でも利用できます.条件を満たす場合,往路・経路それぞれ普通乗車券が1割引きになります.
メリット
学割との併用が可能!
通常,複数の割引制度を併用することは出来ませんが,学割+往復割引の組み合わせに限り,割引制度を併用することができます.これらを併用した場合,割引率は次のようになります.$$1-(0.9 \times 0.8) = 0.28$$
約3割引きになる計算です.ただし,上記の計算にあるように,往復割を適用した後に学割を適用するという計算になるので,厳密には28%引きとなります.
デメリット
条件がやや厳しい
前述の通り,往復割が適用されるのは営業キロが601km以上の場合です.これが長いと感じるか短いと感じるかは,人それぞれだと思います.具体的な駅で示すと,東京駅~姫路駅(兵庫県)の営業キロが約644kmです.個人的には,結構長いように感じます.
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