大学の定期試験とは? 高校までの定期試験との違い

「大学の定期試験ってどんなものだろう?」、「 難しい?」、「 高校までと違う?」 こうした疑問や不安を抱えている新入生も多いのではないでしょうか。今回は、大学の定期試験の特徴(特に高校までの定期試験との違い)や成績評価の方法について紹介していきたいと思います。

高校までの定期試験との違い

 大学の定期試験は、高校までの定期試験とは異なる特徴があります。この章では、高校までの定期試験との違いについて3つ紹介します。

【主な違い】

・基本的に期末試験一発勝負
・過去問を入手しやすい
・答案が返却されない(ことが多い)

・参照(持ち込み)が許可されることがある

基本的に期末試験一発勝負

 中学・高校までは、1年間に定期試験を6~8回程度実施し、それらの得点を平均して成績が付けられていました。しかし、大学の場合は、基本的に期末試験一発勝負となります。科目によっては、中間試験や小テスト、レポート等を課すこともありますが、その場合においても期末試験の得点が成績評価に大きな影響を与えることが多いです。このように、各科目ごとに成績評価の方法が異なることがある点も大学の特徴といえます。各科目の成績評価方法は、シラバス(科目のプロフィールのようなもの)で確認することができます。

過去問を入手しやすい

 大学では、先輩・友達経由で過去問を入手出来ることがあります。また、担当教員が自身のホームページに過去問をアップロードしているケースもあります。ただし、過去問は問題の出題傾向や構成を把握する上では非常に重要なアイテムですが、丸暗記では通用しないこともあるので注意が必要です。

また、厳格な先生であれば、試験終了時に解答用紙だけでなく、問題用紙を併せて回収される場合もあります。過去問流出を防ぐ意図なのかは不明です、必ずしも過去問を手に入れられるとは限らないので注意しましょう。さらに、2020~2022年度はCOVID-19の影響により、試験を遠隔で実施したり、試験の代わりに期末レポートを課したりと試験形式がイレギュラーになり、直近の過去問を入手出来ないという事例もあるようです。確かに過去問は、試験形式や傾向を把握する上で重要なアイテムではありますが、過去問に過度に依存することなく、計画的に試験勉強を進めることが大切です。

答案が返却されない(ことが多い)

 稀に答案が返却されるケースがある可能性を否定できないので、一応カッコ書きにしましたが、基本的には採点された答案が返却されるケースはほとんどありません。従って、成績発表(WEBシステムを使って確認することが多い)までは、自身の得点を確認する手段がありません。
注1)中には、期末試験時に受験者が答案用紙に記入したペンネームを使用して先生が自身のホームページで得点開示を行っているユニークなケースもあるようです。
注2)成績発表の得点は、期末試験及び小テストやレポート等を勘案して付けられているので、期末試験単体の得点を知ることはやはり難しいです。

成績評価に疑問を感じた場合

 成績評価に疑問を感じた場合は、不服申し立てや質問等を行うことができます。詳しくは教務規定等に書かれているので、大学ホームページ等で確認してください。ただし、この制度は温情による救済措置ではありませんので注意してください。また、申し立てにあたっては、シラバスの成績評価基準などに即して客観的に申請することが大切です。

参照(持ち込み)が許可されることがある

 科目・担当教員によっては、教科書や講義資料、ノート等の参照(持ち込み)が許可されることがあります。高校までの定期試験ではほとんど無かった制度なので、新鮮ですよね。特に、遠隔講義(遠隔試験)の実施が進んだ影響で、参照可の試験が増加していると思います。資料の参照可否と参照可能な資料の種類については、事前にしっかりと確認しておきましょう。
 また、参照可能=簡単とは限らない点に注意が必要です。中には文字通り簡単な試験もあるのですが、参照可能な試験の場合、教員は学生が資料を参照する前提で試験問題を作成します。つまり、教科書や講義資料に書いてあるような内容を直接的に問う問題は少なくなる可能性があります。教科書や講義資料に書いてある内容をもとに思考・判断・表現する力が問われます。また、問題数を増やすことで参照する時間を十分に与えないという方法もとられます。参照の可否にかかわらず、事前準備が非常に大切です。

成績評価の方法と材料

 成績評価の方法・材料は、以下の6点が代表的なものとして挙げられます。

・期末試験、中間試験
・小テスト
・レポート
・提出課題(宿題)
・作品課題
・授業態度

期末試験、中間試験

 成績評価に与える影響が大きい材料になります。また、科目によっては試験期間外に個別実施されることもありますので、担当教員のアナウンスに注意が必要です。詳細は、前章で述べているので省略します。

小テスト

 成績評価に与える影響は比較的小さめではありますが、小テストの解答を出席確認に使用している教員もいます。また、解答の正誤は問わず解答数を点数化する場合もあるようです。実施形態は、従来のペーパーテストに加えて最近ではMoodleなどのLMSを利用したCBT(Computer Based Testing)も活用されていますね。CBTでは、受験完了直後に正誤や得点を確認することも可能です。

提出課題(宿題)

 成績評価における位置づけとしては、上記の小テストとよく似ており、成績評価に与える影響は比較的小さめで、課題の提出状況を出席確認に使用している教員もいます。また、課題の内容(演習問題等であれば、正誤)を成績評価に算入するかどうかも担当教員によって判断が分かれるところです。

授業態度

 科目、担当教員によっては講義への出席状況などを成績評価に加味することがあるようです。また、出席回数が規定に満たない場合は、その時点で不合格となりますので、注意しましょう。

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